~FC2BLOGランキングに参加しています~ 優倶楽部blog【レビュー】SPドラマ「女王の教室」エピソード1~堕天使~&エピソード2~悪魔降臨~
優倶楽部blog
サッカーJリーグ・川崎フロンターレと、TVドラマをこよなく愛する男のブログです。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【レビュー】SPドラマ「女王の教室」エピソード1~堕天使~&エピソード2~悪魔降臨~
 ブログ版になってからは初めてのSPドラマの感想です。

 とりあえず・・・感動したっ!!(古)

 いやー、何が感動したって、物語の完成度の高さですよ。連続ドラマの際に匂わされていた部分が、全て2編の中に物語としてきちんと織り込まれていて(平泉成の存在や、天海祐希の傷跡の意味など)、3つの「エピソード」を通してみたときに、1本の物語として完璧な出来となっていた。連続ドラマの脚本家は、一つの物語を作るときに、今回の2つのエピソードに出てきたような「裏設定」を様々考えているものだ、とは言われるが、それにしてもこれだけのボリュームの物語を破綻なく作り上げていて、しかもそれを「エピソード3」である連続ドラマの段階で、既に逆算して織り込めている、というのはもの凄いことである。脚本の遊川和彦の手腕にはまったくもって恐れ入った、というほか無い。

 さらに、一つ一つのエピソードも極めて完成度が高い。当初は希望を持って教師になった天海祐希が、現実に挫折し、さらに愛情をかけていた(はずの)子供をも失う・・・という「エピソード1」。「自分の理想ばかりを追い求める人間は、結局周囲の人も傷つけてしまう」という天海祐希の志田未来への言葉は、過去の自分とのオーバーラップ(連続ドラマ時に、志田未来を集中的に攻撃したのも、過去の自分と重なる部分があったからなのだろう)となっていて考えさせられるし、自分は理想を持って接していても、理解してくれない周囲との摩擦や、子供への接し方の問題ですれ違っていく夫婦の会話などは、(連続ドラマの時と違って)非常にリアルな作り。息子を失った生瀬勝久の「お前が殺したんだ」というセリフも、その前に「酷いこと言って良いか」というぽつんとした一言の後に、静かに発せられるからこそ、さらに重みを持って伝わってくる。こうした細部のリアリティでドラマの完成度としては圧勝しており、それが、教職を追われ、最愛の息子を失う・・・という衝撃的な展開を見ている側に受け入れさせている。

 「エピソード2」では、やはり連続ドラマの時に出てきた「なぜ人を殺してはいけないのか?」と問うた子供を半殺しにする、という部分がクライマックスだったわけだが、「エピソード1」で、息子を失ったという描写がなされているからこそ、最後の最後で「人を殺しちゃいけないのは、死ぬとき痛いから。苦しいからよ。(中略)夢も、希望も、全てを奪ってしまうからよ」(相変わらずうろ覚えです)という天海祐希のセリフには、問答無用の説得力がある。これこそ、エピソードの積み重ねの勝利であり、物語としてムダのない、完璧な仕上がりと言えるだろう。

 「エピソード1」の岩本仁志、「エピソード2」の大塚恭司の2人の演出陣は、連続ドラマの時と同様、色彩感覚の効果的な使用が光っていた。特に、全編ブルーを基調としていた連続ドラマの時とは違い、「エピソード1」の、夢に溢れる天海祐希の状況と見事に重なる鮮やかな色使いから始まって、「エピソード2」で血まみれになりながら生徒の首を絞める時のブルーへの「暗転」に到るまで、物語の進行に合わせて変化していく色使いが、(多少あざとすぎる嫌いはあったが)見事にオーバーラップしていた。

 そして、最後に強く讃えておきたいのが、天海祐希の、まさに全身全霊での演技だ。何が素晴らしいって、1人の人間が「悪魔」にまで変化していく「過程」の的確な演技が、見事と言うほか無い。様々な出来事を経るたびに、少しずつ「阿久津真矢」という人間の内面が変化していく様子が、それぞれの段階で見事に表現されており、そのさじ加減の絶妙さは、本当にこの登場人物が見ているものの目の前に存在しているかのような錯覚を与えるほど。息子を失ったときや、再び目の前で生徒を失いそうになったとき、そして生徒の首を絞めるときと、重要な場面での迫力に満ちた演技も素晴らしく、天海祐希は、本当にこの登場人物を全て自らのものとしていたと言える。逆に言えば、天海祐希という女優が存在しなければ、この「女王の教室」という作品は絶対に成立し得なかった。近年乗りに乗っている印象のある天海祐希だが、この作品は、彼女にとって「代表作」と評される価値のあるものであろう。

 私は、連続ドラマの際、野心的な取り組みを評価しながらも、一部失敗があったことを明確に批判していた。その評価そのものは、現在も揺らいではいない。しかし、この「エピソード1」「エピソード2」を見た今、明らかに言えるのは、日本のTVドラマにおいて、これだけのスケール・完成度を持った挑戦的な作品が作られたことを、私は誇りに思う、ということだ。
スポンサーサイト

テーマ:女王の教室 - ジャンル:テレビ・ラジオ

コメント
この記事へのコメント
コーチングと30代,40代の転職
コーチングとは、相手と対等な立場で、効果的な質問を投げかけ、気づきを促し自発的に技能を改善させる指導法のことをいう http://paella.photobycolin.com/
2008/08/26(火) 11:44:36 | URL | #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。